オーディオにおける音質変化は、使用機器の電源ケーブルを変えるだけでも激変するような効果があることが知られています。実際に音質改善をうたった電源ケーブルは、その効果がどの程度のものかは別にせよ、世の中にごまんと存在します。
電源ケーブルを購入し、とっかえひっかえトライしてみた方ならご存知のことと思いますが、電源ケーブルの中には、ノイズを減衰させて音質改善を狙ったり、導体(線材)の品質や構成に工夫を凝らすことで音質改善を行っていいますが、波形整形という機能を有しないケーブルであっても、音質が激変したりするわけですから、電源をきれいにしたり安定化するということがどれだけの効果をもたらすのかということが、容易に想像できるのではないでしょうか。
当初弊社は、電源をとにかく安定化させ、きれいにすることに音質改善の糸口があるのではないかと日々回路設計と実験を繰り返えしてきました。お陰で電気的な特性としては、歪も少なく高安定で、非常に高精度な電源を造ることもできました。
しかし、一方でそれだけでは満足の行く音質にできないこともわかってきました。
使用部品の特性(味)を活かし、でしゃばりすぎず、味のバランスを考え、あるときにはスパイスを、またあるときには隠し味をという具合に、まとまり良く仕上げなければ折角の食材(部材)も台無しになるということです。まるで料理人のようですね。
言い換えると、我々は電源ひとつによって、オーディオシステム全体の音色や音質をコントロールできるノウハウを習得しつつあるというわけです。単に電源をきれいにした。高性能なものを造った。これだけでは産業用の電源装置で事足りるのです。
音楽を聴いて感動できる。喜びを感じることができる。気分を高揚させ幸せな気分にしてくれる。そんな力が電源にはあると思っています。